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「音の研修」を行った保育園が開園

「子どもの声や音でうるさくなるのが心配」と近隣から意見が出て、音環境コンサルティングと、保育の質も高める「子どもの心とからだを育む感性環境づくり」の研修を行った保育園がこの10月に開園した。

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開園を半年遅らせても大幅な設計変更を行い、地域の声にも真摯に向き合ったその姿勢には、今から60年以上前に地域の保護者と保育者が土地を探すことから始め、みなで共に創り育ててきたこの法人の理念が生きている。

後背の住宅地に園内の音が大きく漏れないようにし、天井を吸音材と不織布で仕上げ材なしのまま覆って吸音効果を高めるなど工夫。通常は吹き抜けによって反響が強まりがちな遊戯室ホールも耳に優しい響きに包まれていた。

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近年の傾向として、ガラスやコンクリートを多用する設計は、反響・残響が過度になってやかましくなり、それを越える声や音・音楽を出すことが習慣化されて増々やかましい環境となる、という悪循環に陥ってしまう。こうした音環境にさらされていると、子どももおとなも、気づきや発見・穏やかなやり取りという保育において大事にしたいことが損なわれかねない。
を始めとして光や風・かおり・手触り足触り、さらには雰囲気・気配なども含めた感性環境に配慮し豊かにすることは、居心地を良くするだけでなく、子どもの感じる心や伝える力を引き出し伸ばし、またそこに関わるおとなの在り方も自然と寄り添える姿にしていく。

なんでも教えてくれるAI、なんでも体験できるVRの時代だからこそ、「今・ここ」の宝を自身で探し出せるsense of wonderと創造性を発揮できる場づくりが必要ではないか。